由良町が中地区の古民家を改修して完成させた地域交流施設「ゆらっと紀州」が、22日にオープンした。初日は記念式典とイベントが行われ、住民有志提供の鍋や飯類の振る舞いに長蛇の列ができ、新しく開店した特産品販売所も多くの人が訪れてにぎわった。畑中雅央町長は式典で「地域の交流と観光PRの拠点にしていきたい」と期待を込めた。
 平成23年に所有者から寄付を受けた通称「旧原邸」で、有効活用方法を町の若手職員がアイデアを出し合い、地域交流拠点とする方針を固め、公衆トイレを新築し、長屋門を産品販売所に改修。駐車場も整備した。
 オープニング式典は邸宅の母屋で行われ、町関係者や交流している摂南大学関係者ら約30人が出席。畑中町長は式辞で交流施設にすることになった経緯を説明した上で「住民の憩いの場、地域と都市との交流、産品所には由良の特産品も置いてあるので、観光PRの拠点にしていきたい。気軽に立ち寄り、住民皆さんで盛り上げて地域の活性化につなげてほしい」とますますの有効活用を呼びかけた。玉置一郎町議会議長は「しょうゆや味噌の発祥の地をアピールする由良の顔になる施設にしよう」、冨安民浩県議も「地域が盛り上がって元気を創出していってほしい」とあいさつした。ネーミングの応募当選者5人のうち出席した橋本佳寿美さん、東山実子さん、山崎節子さんの3人に記念品の贈呈も行った。
 オープニングイベントは駐車場で行われ、同施設の運営に携わっているゆらつくらん会が振る舞い鍋を提供し、行列ができるほどの人気ぶり。販売所では地元特産の衣奈わかめやハッサクなどが並び、買い求める人の姿がみられた。町内から友達と遊びに来た女性は、「国道沿いで立ち寄りやすく、レトロな雰囲気もあってまた来たくなる施設ですね」と笑顔で話していた。
 町では新年度で蔵の改修も計画している。