日高町小中、杉村邦雄さん(77)は趣味のゲートボールが縁で東日本大震災直後から被災地との交流を続けており、ことしもみかんをプレゼントする計画を立てている。小中のみかん農家白井喜詔さんが甘夏を提供するが、収穫や箱詰め作業に人手がいるので「どなたかボランティアで手伝っていただけませんか」と広く協力を呼びかけている。
 4年前の震災発生直後、岩手県花巻市でゲートボールの全国大会が開かれ、杉村さんは日高町レディースチームの監督として参加。当初はためらったが、主催者から「参加していただくことが被災地への励ましであり支援になる」という声を受けて決めた。現地では三陸海岸など壊滅的な被害を受けた土地を目の当たりにし、ゲートボール仲間からは「ボールやスティックなどの用具もすべて失った人が多い。今は無理でも、いつかまた競技を楽しめるようになればと思う」と聞いた。杉村さんらは「その時のために、東北へ用具のセットを贈りたい」と、日高地方の愛好家に呼びかけて「ゲートボール募金」を募り、100セット近いボールを届けて喜ばれたという。以後も手作り品を贈るなどずっと交流を続け、昨年は「風邪などひかないようにビタミンCが豊富なみかんを贈ろう」と、白井さんの協力でデコポンを30箱ほどプレゼント。ちょうど仙台市で開かれた東北6県のゲートボール研修会席上で参加者に配られ、「うれしさとおいしさと温かいみかん色に、胸が熱くなりました」など喜びに満ちた礼状やデコポンを描いた絵手紙などが寄せられた。
 ことしも白井さんが栽培している甘夏を提供。杉村さんは「東北では柑橘系はほとんど栽培されておらず、みかんのプレゼントは喜ばれると聞きました。たくさん贈ってあげたいのですが、収穫も箱詰め作業も重労働で、高齢の私たちではなかなかはかどりません。どなたか力を貸してくださいませんか」と協力を呼びかけている。問い合わせは杉村さん℡090―9094―0651。