中学生サッカーのセレッソ和歌山に所属していた林純平選手(15)=美浜町吉原=が、高校生となる4月からJ2リーグ・愛媛FCのユース(U18)チームに入団することが決まった。きょう11日に地元を離れ、新天地でのサッカー生活をスタートさせる。身長181㌢のゴールキーパーで、正確なキャッチングとDF陣を統率する指揮力に定評がある守護神が、Jリーガーという夢の実現へ大きな一歩を踏み出した。
 林選手は父の仕事の都合で小学5年生のとき、愛媛県から美浜町にやってきて、松原小、松洋中と5年間生活。愛媛県ではドッジボールのクラブチームの選手として活躍していたが、松原小では友達の誘いで地元のサッカークラブ美浜少年FCに入部。身長が高くキャッチングがうまかったことから、しばらくしてフィールドからキーパーに転向。県トレセンにも選出されるなど才能が開花し、松洋中に通いながらJリーグセレッソ大阪の下部組織であるセレッソ和歌山で週6日の練習に参加した。2年生では同学年のセレッソ選抜メンバー18人に選ばれ、スペイン遠征に参加したほか、3年生ではU―16国体(長崎)の県代表メンバーにも選出されるなど、キーパーとしての実力を着実につけていった。
 愛媛FCから声がかかったのは3年生になったころ。林選手を2年生の12月まで指導していたキーパーコーチが、セレッソから愛媛FCユースのコーチに移籍したのがきかっけ。このコーチから「中学を卒業したら愛媛にこないか」と誘いがあり、林選手は地元開催のわかやま国体出場への思いも強かったことから悩んだが、夏休みに愛媛FCユースの練習を見学にいったことが転機となり「ここでやりたい」と決意した。9日に卒業式を終えたばかりだが、11日には愛媛県での寮生活を始める。クラブチームの近くの高校に通いながら練習に参加していく。
 愛媛FCは松山市が本拠地。J2で最高位9位、J1昇格目指して力を入れているチーム。林選手は小学2年から3年間、松山市に住んでいたことから愛媛での生活もまったく不安はなく、「早くチームに合流したい」と期待で胸は躍るばかり。キーパーとしての技術だけでなく、DF陣に指示を出すコーチングが持ち味で、「ことしの目標はレギュラーを勝ち取り、わかやま国体に愛媛代表として出場すること」と力を込める。Jリーガーになるのが夢で、「トップチームに上がれるよう、ユースで3年間しっかり頑張りたい。将来はJ1リーグでプレーしたい」と張り切っている。小学生時代の恩師で美浜少年の山下明美監督は「Jリーガーという将来を見つめながら目標を決めて頑張ってほしい」とエールを送っている。