県と県文化振興財団主催、写真と朗読による構成劇「忘れない」は28日、御坊市民文化会館大ホールで上演された。
「『稲むらの火』から161年 東日本大震災・紀伊半島大水害・広島土石流災害 追憶と祈りの集い」をテーマとした舞台。元日高高校教諭の栗原省さんが脚本・監修、劇団RAKUYU代表の松本こうじさんが演出を担当し、出演は劇団RAKUYU団員、和歌山放送朗読教室メンバー。「稲むらの火」で知られる安政地震津波に始まり、阪神大震災、東日本大震災、紀伊半島大水害等の映像を映しながら、団員と朗読教室メンバーは当時の記事や被災者の思いを表現した詩を、時には静かに時には激しく、思いを込めて朗読していった。東日本大震災の関連写真として、海に向かってトランペットを吹き涙をぬぐう少女、がれきの中で両手で顔を覆って泣く老女の姿などが映し出されると、会場からはすすり泣く声も聞かれた。紀伊半島大水害では、本紙を含め被害状況を克明に報じた新聞記事、おびただしい流木、海に流された牛の群れなどの写真が映し出された。来場者は当時の記憶をよみがえらせながら、一心に朗読に耳を傾けた。最後に、合唱隊としてRAKUYU団員、御坊少年少女合唱団、JA紀州女性会藤田支部コーラス部が登場。「希望」という花言葉を持つガーベラを1輪ずつ手にし、鎮魂の思いを込めて「ふるさと」「花は咲く」を声高くうたった。

