任期満了に伴う美浜町長選(町議と同時)が3日告示され、2選を目指す現職森下誠史氏(59)=三尾=と新人の元町議会副議長谷進介氏(56)=三尾=が立候補する。現職の初当選からこれまで4年間、予算案や出生祝い金制度の創設をめぐって議場で激しく対立してきた両氏の最終決戦。選挙では互いに地震津波対策を最優先課題に、森下氏は緒についた各種事業の着実な進展、谷氏は現町政のスピード感のなさを訴え、新たな美浜町づくりを呼びかける。
 森下氏はこれまで4年間、子どもの医療費無料化の中学卒業までへの引き上げ、少子化対策としての出生祝い金の支給、2小学校へのエアコン整備、津波避難対策としての2小学校とこども園への外階段設置などを推進。今回も引き続き、「感動のみはまは笑いと元気から」をキャッチフレーズに、公約には地震津波対策、子どもたちへのふるさと教育、高齢者障害者福祉と子育て環境の充実などを掲げる。
 一方の谷氏は昨年10月に辞職するまで2期約8年間の議員経験と実績を前面に、現職の町政運営、とくに災害対策については「スピード感がない」と厳しく批判。津波避難施設の避難所建設計画等の見直しのほか、人口減少対策としての新たな雇用創出支援、小中連携一貫も視野に入れた教育の見直し、高齢者福祉の充実等を掲げ、「美浜町に限界なし、谷進介に限界なし」で新たな美浜町づくりを目指す。
 これまで4年間、議会は町長提出議案の修正・否決をはじめ、地籍調査委託事業者の公民館使用に絡む森下町長自身の言動に関する謝罪、さらには予算の流用が多すぎるという理由での決算不認定もあり、執行部と議会の関係はギクシャクしたまま。議会側の森下町長批判の急先鋒が谷氏であり、今回の選挙は互いの意地のぶつかり合い、激しい戦いが予想される。森下陣営は3日午前8時半から、谷陣営は9時から出陣式を行う。
 町長選、町議選はいずれも8日に投開票。立候補の届け出は、3日午前8時半から午後5時まで、役場2階会議室で受け付ける。2日現在の有権者数は6442人(男2951人、女3491人)。