経験の少ない若手隊員に消火技術を学んでもらおうと、日高広域消防は13、14の2日間、みなべ町の島ノ瀬ダム周辺で山火事を想定した訓練を行った。
 山火事は年々減少しており、現場での活動経験が少ない若手に効率的な消火技術を伝承していこうと数年前から毎年実施している。14日には隊員約30人が参加。同町東神ノ川地内で山火事が発生したとし、隊員はダムえん堤下流から取水し、坂道を駆け上がってホースを延長。高低差約50㍍、760㍍をつなぎ、十分な水圧を確保するため途中に動力ポンプで中継送水する方法で実践し、山に向かって勢いよく放水した。対岸の山にも飛び火したとして再びホースを延長して放水したほか、消火活動中に斜面を15㍍滑落した消防団員の救出訓練も行い、技術を磨いていた。山西良一消防長は「これから数年でベテラン隊員がたくさん退職するので、若手が中心となっていけるよう、きょうの訓練の課題を洗い出して次に生かしていきたい」と話していた。