秋祭りシーズンを迎え、ここ数週間は週末になると、取材のために各地の祭礼を巡ったが、先月最終の週末は筆者自身も地元、美浜町の御崎神社の和田祭に参加。ことしも裏方をしていたが、本祭りのお戻りの際には四ツ太鼓に加わった。神社前で15分間にわたり、「サイテクリョー」や「来年の~来年の~」などと叫びながら力を振り絞って両手で担ぎ充実感いっぱい。筆者の組では、日高地方最大級の八反幟の凄技を披露し、あまりの迫力と凄まじさに感動のあまり目に熱いものが。本当に楽しく、いい祭りだったと実感、まだ余韻が冷めやらない。
 日高地方の秋祭りも3日の日高川町の寒川神社と御坊市の宝神社の祭礼でラスト。寒川祭は4人立ちの獅子舞と花幟で知られる。毎年取材しているが、この日は他の取材も多く、じっくり見ることができたのは3年前の一度だけ。この時は台風12号豪雨の影響でお渡りを取りやめ、すべての儀式を神社で執り行ったが、醍醐味を堪能できた。神賑行事の目玉の4人立ちの獅子舞はさまざまな舞いがある。そのなかの一つ、道中神楽は、歩くのを嫌がる獅子を王仁(おに)と和仁(わに)があの手この手とさまざまな演技で誘導するのだが、獅子が舞いながらお渡りするのはとても珍しい。児童が長刀(なぎなた)を振るうと獅子が飛び起きる長刀の舞も見どころだ。お戻り後にはお多福が登場し、セクシーかつ滑稽な姿で魅せてくれる。
 江戸時代に関東の浪人医師が伝えたとされる厳粛な祭り。厳粛ゆえ禁酒である。四ツ太鼓の迫力満点のパフォーマンス、血気盛んな若衆の姿を見られるわけではない。のどかな山里の何とも風流な秋祭り。ぜひご覧いただきたい。      (昌)