任期満了に伴う来年2月3日告示、8日投開票の美浜町長選は1日、前日の新人谷進介氏(56)=三尾=に続いて現職森下誠史氏(59)=同=が立候補の意思を表明した。2期目に向けては災害対策を第一に、これまで4年間で着手した松原地区の高台避難施設の建設等を進め、三尾地区への緊急用ヘリポート整備にも意欲。引き続き「感動の美浜は笑いと元気から」をモットーに、住民との協働による住みよいまちづくりを目指す。
 三尾出身の森下氏は御坊商工(現紀央館)時代、バドミントンの選手としてインターハイに出場、団体でベスト16に進出。京都産業大卒業後は美浜町に戻って役場職員となり、町長になるまでは地元のバドミントンクラブで指導者を務めた。前回の選挙は町職員を退職後、告示1カ月半前に出馬を表明。3選を目指す現職を766票差で破り、初当選を決めた。
 2期目に向けてはこれまで同様、巨大地震など災害対策を第一の課題とし、吉原地区に計画している高台避難施設(築山)の建設、浜ノ瀬地区公民館避難タワーの屋上までの継ぎ足しを進め、1期目の公約に掲げながら実現できていない三尾地区への災害・医療用ヘリポートの整備にも意欲。ほか、中学生までの医療費無料化、第三子以降の出生祝い金支給などこの4年間で始めた事業を継続しながら、教育では民営化も含めたひまわりこども園の運営形態の検討、地域の先人や歴史を学び、愛郷心を育む「郷育」にも力を入れたいという。
 1期目は議会で毎回のように厳しい批判にさらされ、予算案の修正、否決、果ては前代未聞の決算未承認など議会との関係はギクシャク。その急先鋒の谷氏との一騎打ちは激戦が予想されるが、この日の森下氏はいつも通りにこやか、「これからも初心を忘れず、町政懇談会などで地域に出向き、直接対話の協働のまちづくりを進め、山積する課題に対応していきたい」と決意を示した。