御坊市島、浄土真宗本願寺派の善妙寺(木下眞人住職)で門徒らがボランティアで進めている本堂の天井絵154枚の描き直し作業は、いよいよ大詰めを迎え、4年越しで早ければ来年秋にも完成する。花鳥風月をモチーフにした日本画で、これまで色鮮やかな約100枚を制作。指導は日高町小坂、日本美術院院友の鈴木薫さんが行っており、伝統文化の日本画を後世に伝える機会にもなっている。
本堂は約230年前に再建された歴史があり、天井絵の画家は不明だが、再建時に描かれたと推定される。大きさ40×42㌢と35.5×37㌢合わせて154枚あり、いずれも長年の歳月を経て色が剥げ落ちたり、破れたりしている。そんな中、鈴木さんは自身が指導している日本画鈴蘭会のメンバーの1人が同寺の門徒という関係でこの話を知り、「伝統あるお寺に日本の伝統文化である日本画を残せれば」と思い立ち、天井絵全てを描き直すことにした。当初、鈴蘭会のメンバーらプロの画家だけでの作業も考えたが、「数百年に一度の大仕事だから、門徒の人たちも携われる方がいい記念になって喜ぶのではないでしょうか」と門徒のアマチュア画家にも協力を依頼。平成23年10月から毎月1、2回のペースで本堂に集まって作業を進めている。「箱絵形式」の描き方で、特殊な紙に極彩色の「水干絵の具」を使って色鮮やかかつ繊細に仕上げており、これまでに青色が鮮やかなキキョウ、目の覚めるような赤色のツバキのほか、ハス、ユリ、ハギなどが完成。迫力みなぎる龍の絵もある。全ての絵が出来上がったあとは、いまの天井絵を剥がして、新しい絵を貼り付けていく。
天井絵の修復や新調などには本来多額の費用がかかるが、ボランティアの力で順調に進んでいることについて木下住職は「本当にありがたいこと。皆さんの頑張りで完成が近付いてきました。とても楽しみにしています。完成後は記念法要をしたいと思います」と話している。天井絵新調の機会に、老朽化が進んだ欄間やふすまの修繕も行っている。

