県が印南町高串地内で進めている切目川ダム建設工事は堤体工事や設備工事が完了し、20日から試験湛水を開始する。
 試験湛水は実際にダムの最大貯水位(一時的に貯められる最大水位)まで水を貯め、水漏れがないかなど堤体や基礎地盤などの安全性を確認する作業。安全性が確認され、周辺整備完了後、供用開始となる。
 試験に向け20日午前10時から堤体にある仮排水路と常用洪水吐きにゲートを降ろす。試験完了時期については今後の雨量などに影響されるが、県ではこれまで通り来年春の供用開始をめどに進めている。また試験中は河川環境保全のため必要最小限の水量は下流に流すことになっている。
 ダムは高さ44.5㍍、集水面積は21.9㌔平方㍍で、総貯水容量は396万立方㍍。日高川町の椿山ダムのようにゲートを使って人為的に放流するタイプではなく、28㍍地点に2カ所ある幅2.8㍍、高さ2.9㍍の「常用洪水吐き」という穴から水を自然に流すことで水量を調整する自然調節方式となっている。