御坊市の森岡区に計画されている「御坊リサイクルセンター(仮称)」が11月から着工するのは本紙で既報の通りだが、振り返ればいろんなことがあった。最初は平成19年11月の森岡区の誘致表明。業者とは環境保護の徹底や地元雇用の優先などで協定を締結したという話だったが、産廃誘致と言えばかつて楠井で訴訟にまで発展した経緯があり、「大変な問題になりそう」との予想はあった。その後、やはり周辺の塩屋町住民が反対運動を展開。署名運動のほか、勉強会や県、市への度重なる申し入れもあり、環境や給食センターへの影響を真剣に考えて取り組む姿には、すごいパワーを感じたものだ。
 結局、県が建設の許可を出し、業者と市も環境保全協定を締結したことで今回の着工。地元環境を守る会(元産廃の中止を求める塩屋の会)では「悔しさと落胆が入り交っている」とコメントしているが、これまで取り組んできたことの意義は大きい。例えば環境保護協定を取ってみても、同会が意見、指摘を行ったことで「遮水シートが漏水した場合の掘り起こし」や「抜き打ち調査」を盛り込んでいるなど、全国的に見てもかなり厳しい内容。さらに、市は周辺で粉じんに大気質の調査も追加して実施中。安心、安全への信頼が高まったと言える。さらに、当面20人から30人の地元雇用を予定しているのはありがたい。雇用確保のメリットだけ言っているのではなく、社員となった地元住民が内部から施設をチェックできるからだ。
 ただ、「もう絶対大丈夫」とは、福島原発の事故でも分かるようにありえない。引き続き行政や地元住民の厳しい監視、指導が重要。そして万一何かあった場合には業者の真摯(しんし)な対応を期待する。   (吉)