田辺市龍神村の高齢者の女性で結成する「ばあちゃんバンド」(小川静子代表)が人気を呼んでいる。家庭で使わなくなった鍋や灯油缶などを打楽器にして演奏するグループ。25日に龍神市民センターで開かれた高齢者交流会にも出演し、ユニークな演奏に客席から大きな拍手が送られていた。
 ばあちゃんバンドは5年前に結成。代表の小川さん(89)が「家に眠っているやかんなどをたたいて演奏してみたら楽しいのではないか」と思いついたのがきっかけ。当初のメンバーは3、4人程度だったが、次第に増え始め、現在は70歳から89歳までの女性約20人となった。練習は月1回、同村柳瀬地内の上柳瀬多目的集会所で行われ、仲間が持ち寄ったやかん、フライパンなどの廃品をたたき、演奏に磨きをかけている。発表の場として村内の老人ホームや保育園などを訪れているほか、これまでに上富田町など西牟婁地方のイベントにも出演。ユニークな演奏が人気で、交流サイト「ユーチューブ」にアップされた動画は1500回を超える再生回数となっている。
 高齢者交流会(田辺市龍神村高齢者学級主催)では、メンバーがそろいの衣装にシルクハット姿で登場し、まず氷川きよしの「きよしのズンドコ節」を歌いながら演奏。曲の合間の、客席からの掛け声「キヨシ」を「ばあちゃん」に変えるなどして盛り上がった。このほか「ふるさと」「青い山脈」などのレパートリーも披露した。小川代表は「みんなが集まって曲を楽しみながら演奏し、大笑いするのが生きがい」とニッコリ話している。