県内最古の寺で安珍清姫物語の舞台として知られる日高川町の道成寺の写真集「古寺巡礼 道成寺の仏たちと『縁起絵巻』」が発行された。
 道成寺としては20年ぶりの写真集で、発行は東京の㈱東京美術。文化庁の調査官として道成寺の仏像の修理現場に立ち会った県立博物館館長の伊東史朗さんが監修、執筆を務めている。A4判カラー96ページにわたり、「道成寺の仏たち」や「道成寺縁起絵巻」、伊東さんによる解説「道成寺の仏像」、「年表」などの項目で道成寺の魅力を紹介している。「道成寺の仏たち」では重要文化財の根本本尊と言われる千手観音像や国宝の日光・月光菩薩像など24体の仏像を掲載。解説の項では、根本本尊をはじめとする3体の千手観音像や釈迦三尊像、四天王像の構造や歴史など写真を交えて分かりやすく説明している。小野俊成住職は「道成寺にとって心躍る20年ぶりの再評価でもあり、文化財保護の最前線で働く方々へのオマージュでもあります。この写真集で道成寺に残る文化財に触れ、時の流れを超える不思議な力の存在を感じていただけると思います」と話している。
 価格は2000円(税抜き)で10月1日から全国の書店で販売。道成寺では税込み1800円ですでに販売している。