秋季近畿地区高校野球大会県1次予選は23日、県営紀三井寺球場で県2次予選出場をかけた代表決定戦4試合が行われた。第4試合の日高中津は土壇場の9回、北村の起死回生の一発で息を吹き返すと、延長10回に勝ち越しに成功して今夏の甲子園に出場した市和歌山を破り、地元勢で唯一県2次予選進出を決めた。
 日高中津は5回2死二塁から庄司がしぶとく一、二塁間を破る右前適時打を放ち、1点反撃した。再び3点差で迎えた9回は無死から増田の左前打と、西出の二塁手の前でバウンドが変わる幸運な右前打、さらに仲の四球などで満塁と攻め立て、岡﨑の中犠飛でまず1点。なおも一、三塁の好機に北村が左越えへ会心の逆転3点本塁打をたたき込み、試合の流れを一変させた。9回裏2死から追いつかれたものの勢いに乗る若アユ打線は10回、先頭の中原が四球で出塁。送りバントで二塁へ進むと、2死後、西出の二塁強襲安打で中原が一気に勝ち越しの生還を果たした。続く仲にも右翼線適時三塁打が飛び出し、熱戦にけりをつけた。
 先発・岩﨑が初回3長短打などで3失点の苦しい展開。2回無死一、二塁から登板した2番手・岡はこのピンチを犠打、遊ゴロ、右飛で切り抜けると、7回に本塁打を浴びたものの6イニングを4安打1失点の好投でチームに流れを呼び込んだ。3番手・栗栖は9回2死三塁から適時打を許したが、10回は2死から死球を与えただけでリードを守りきった。