「『紀伊半島の夢』を描こう」をキャッチフレーズに、紀の国トレイナート実行委員会(廣本直子委員長)がJRきのくに線の普通列車に描く絵を募集していた「デザイン列車」の受賞者が決まり、植野優華さん(岩代小学校6年)の作品が紀州熊野応援団賞に選ばれた。地域特産の梅干しをテーマにした斬新なアイデアが評価された。
 紀の国トレイナートは、画家や現代美術家、グラフィックデザイナー、写真家らプロの芸術家とJRがタイアップして、10月24日から26日までの3日間、JR南部駅から新宮駅までの各駅や臨時列車内でさまざまな楽しいイベントを行う企画。デザイン列車もイベントの一環で、小学生以下を対象にアイデアあふれる作品を募集。マリンブルーの車体にプロのデザイナーが最優秀賞の1点を描き、紀南地方を中心に10月6日から約3カ月間運行する。県内外から1150点の応募があり、デザイナーの太田博久さんら審査員が最優秀賞1点、入賞3点を選出した。
 植野さんの作品は、入賞3点のうちの1点。色鉛筆でブルーの車体に紅色の梅干しをたくさん描き、「紀州の梅」と言葉も書き入れた。実行委員会からは「斬新で、地域の特産である梅を使っているところがすごくよかった」と高い評価を受けた。ジュニアバレーに打ち込み、児童会長も務める活発な植野さんは、絵は気分転換にたまに描いているという。今回の作品は図工の授業で仕上げた。「梅の産地なので、梅干しをいっぱいにしようと思いつきました。多くの人に梅を知ってほしいという願いを表現しました」とし、「選ばれてびっくりしましたが、うれしいです」と笑顔で話していた。最優秀賞にはすさみ町の小学4年生の作品が選ばれた。表彰式は、トレイナート期間中の10月25日午前9時からJR紀伊田辺駅で行う。