御坊市湯川町小松原、助産師の中西理予(まさよ)さん(47)は今月3日、自宅敷地内に「バース・ハウスなかにし助産院」を開院した。入院設備を整え、バス・トイレ付きの出産用の部屋、診察室などを備える。日高地方に助産院は珍しく、「お母さんたちが安心して出産、子育てできるようお手伝いしたいと思います」と張り切っている。
 中西さんは看護学校を経て大阪の聖バルナバ助産師学院に学び、実際に出産に立ち合って「新たな命の誕生は素晴らしく感動的なこと」と感銘を受けた。23歳で助産師資格を取得。「流れ作業」のように事務的にお産に接するのではなく、妊産婦1人1人と向き合って本当の意味で力になれたらとの思いで、10年前から地元で出張専門の助産師としての業務をスタート。自宅での出産をサポートする仕事を重ね、出産や子育てに不安を抱く母親が安心できる体制を整えたいと開院を決めた。
 施設は平屋建て。出産用の部屋は2室あり、落ち着きと安心を与える和室で、ベッドは置かない。気温の急激な変化を避けるようバスにはミスト付きシャワーを設置。トイレも広くとっている。院内での出産のほか産後入院、自宅での出産、乳房ケア、乳児の沐浴の手助けなども行う。診療は完全予約制で時間など相談に応じる。
 中西さんは学校などで性教育と生教育(命の誕生に関する教育)に関する講演も行っており、命の尊さを若い世代に伝えたいと幅広く活動している。「相談できる人もなく、出産に不安を抱いている若いお母さんは多いと思います。どんなことでも相談してもらい、安心してお産に臨む手助けができればと思っています」と話している。
 診療の予約や問い合わせは℡0738―22―2950、℡090―1077―5441。メールアドレスはsun_riyo_mid@docomo.ne.jp