日高町の産湯海水浴場の今季利用客が過去最低の1万8000人となったことが、町と同海水浴場を運営する日高町地域振興㈱の調べで分かった。今季は海の家や駐車場などの施設リニューアルに加え、日曜日以外は町民の駐車場料金無料の新たな取り組みもあって利用客増が期待されたが、度重なる台風やすっきりしない天候が続いた影響がやはり大きく、寂しい夏となった。
 対象の期間は7月1日から8月末まで。利用客数は産湯海水浴場駐車場(7月12日から8月24日まで開設)利用台数3959台を基に、地元の人の利用、他の交通機関での来場などを加味して推計した。町などの調べによると、一番にぎわったのが海の日を含む3連休の中日となった7月20日で、1700人が来場。次いで多かったのは7月27日の日曜日で、1400人だった。7月10日前後は台風8号、8月4日前後は台風12号、同10日前後は台風11号と、週末に荒天に見舞われ、書き入れ時の盆期間もすっきりしない天候で7月の2日間を超える人出にはならなかった。
 猛暑だった前年との比較では駐車場利用台数が約1200台、23%の減少。海水浴場利用客は6000人、25%の大幅減となった。これまでの海水浴場利用客の最低は2年前の2万人。2年前を除くとここ数年は2万4000人前後で推移していた。今季の状況では町や町内各種団体が出資の町地域振興㈱の運営も厳しくなりそうで、町内の観光業への影響も心配されている。
 産湯海水浴場は昭和40年代後半にオープン。遠浅の美しい砂浜が好評で、同50年代後半から60年代前半にかけては毎年5万人以上の人出があり、町内の観光の中心を担ってきた。近年は町内でも方杭や柏の砂浜で海水浴を楽しむ人たちが多く、利用減は海水浴客の分散化も少なからず影響を与えているようだ。
 町担当課では「施設リニューアルなどで期待していたのですが...。天気がよかった7月下旬は昨年より多くの人出だったので、とくに8月前半の台風が痛かったと思います」と話している。