財団法人日本陸上競技連盟と日清スポーツ振興財団の2014年度少年少女陸上競技指導者表彰「安藤百福記念章」に、御坊市内の陸上競技クラブ「GOBOクラブ」コーチの栄土新吾さん(54)=日高町萩原、御坊市役所勤務=が決まった。栄土さんは14年以上、子どもたちの指導に尽力。全国出場選手を多数育成するなど地域の競技普及、発展に貢献し、高い評価を受けた。表彰式は23日午前8時半から神奈川県・日産スタジアムで行われる〝日清食品カップ〟第30回全国小学生陸上競技交流大会開会式の席上で行われる。
 安藤百福記念章は、少年少女(小学生)の陸上競技指導者として、その育成、普及に特に功労のあった人が毎年各都道府県陸上競技協会から1人表彰され、日高地方では2011年度の榎本徹さん(みなべ町)以来3年ぶり2人目の受章となる。
 栄土さんは日高高入学後から本格的に陸上の長距離に取り組み、2、3年生のときには全国高校駅伝に出場。東海大でも競技に打ち込み、市役所で働き始めたあともこれまでフルマラソンを20回以上完走、自己ベスト2時間26分38秒の記録を持つなどの実績がある。
 自身のアスリート経験を生かし、00年4月に御坊市陸上競技協会前会長の大久保利彦さんらとGOBOクラブを創設。以来14年以上にわたり主任コーチとして小中学生の指導に携わり、GOBOクラブの全国小学生クロスカントリーリレー研修大会4回出場、第9回大会総合5位入賞などに貢献。表彰式の日に開かれる全国小学生陸上競技交流大会には過去に100㍍とソフトボール投げの選手を出場させているほか、県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会では御坊市チームのコーチとして優勝2回の成績をおさめている。GOBOクラブからは箱根駅伝や全国高校駅伝出場選手らも輩出しており、高い指導力を発揮している。
 走ることはスポーツの基本ととらえ、指導のモットーは「プロはつくらない」。未知の可能性がある小学生、陸上競技だけでなく他のスポーツでも通用する選手育成を常に考え、子どもたちと接してきた。選手の自主性重視や規律、礼儀などの指導も徹底し、青少年健全育成にも尽力している。
 受章に際しては「家族、特に好きなことをやらせてくれている妻に感謝の気持ちでいっぱいです」と話し、「表彰はGOBOクラブ全体で受けるものと思っております。全国的に活動が認められたことは本当にうれしい。今後もこれを励みに頑張っていきたい」と喜びを表している。