和歌山県に大きな被害をもたらすと予想される東海・東南海・南海3連動地震等と津波に関し、県民の8割以上が大地震発生後、自宅から避難し、車ではなく徒歩で避難すると考えていることが、県のアンケートで分かった。津波からの身の守り方に対する意識の高まりで、歩いて避難すると答えた人は2年前の前回より約8ポイントも増加。一方で、地域の要援護者の支援体制づくりは遅れており、一層の啓発、取り組みの推進が必要となっている。
 アンケートは昨年度、3連動地震の被害想定で浸水深1㍍とされる津波危険地区の住民2000人、その他の地区の住民2000人の4000人を対象とし、23年度(東日本大震災から約10カ月後)から2年ぶりに実施。3連動地震等に関心があるという人は84.7%に上り、大震災直後の前回より0.5ポイント低下したが、県民の巨大地震に対する関心は引き続き高い。
 地震が起こったあとの行動では、自宅から高台や避難所に逃げるという人が3.1ポイント増の82.9%、車を使わずに歩いて逃げるという人は7.6ポイント増の80.7%となり、いずれも過去3回の調査と比べても最高。東日本大震災を教訓に、障害物や渋滞で動けなくなり、逃げ遅れることのないよう、「県政おはなし講座」や「出張! 減災講座」で呼びかけている徒歩避難が浸透しつつあるとみられている。
 その一方で、高齢者や障害者、日本語が不自由な外国人など災害時要援護者を支援する体制づくりでは、「できている」「検討している」と答えた人はわずか22.3%。県内全世帯に配布している災害時の避難カードも「知っている」という人は22.1%にとどまり、家族で避難先を確認のうえ、カードに避難先等を記入しているという人は14%しかなく、県防災課は「家具の固定率の向上、避難先安全レベルの周知と合わせ、啓発等によるさらなるPRが必要」と話している。