御坊市が薗地内に計画している津波避難タワーの再入札が25日に市役所で行われ、野口の㈱小林建設(松本尚之代表)が1億4947万2000円で落札した。当初、入札は昨年11月に予定していたが、参加業者から「価格が合わない」との指摘を受けて異例の入札延期。以後工法の見直しや予算追加などを経てようやく業者が決まった格好で、関係者らはひと安心している。県内最大規模のタワーで、完成は来年3月末。
 タワーの建設に向けては、平成25年度当初予算で1億3000万円の事業費を計上し、昨年11月の入札では、指名7業者から「予定価格が低く資材の調達が困難」との指摘を受けて延期していた。以後、資材コストを下げるため、特殊工法を省いて在来工法で施工するよう設計を見直した。この段階で当初予定していたことし3月末の完成は先送り。次の年度にまたいだことで、さらに鋼材や人件費の高騰、ことし4月の消費増税もあり、予算内では工事ができないことから、6月議会で2500万円の追加補正を行った。
 入札は前回と同じ指名7業者で行い、無事落札されたが、予定価格に対する落札率は100%。他の業者は100%を上回る価格で応札しており、事実上の棄権。予算を追加しての入札となったが、鋼材の高騰などで建設業者にとっては依然〝厳しい工事〟となっているようだ。タワーは鉄骨造りで、高さが8㍍と11㍍の2段階。建設予定地の海抜は5㍍。収容人数は800人で県内最大規模となる。設計は湯川町財部の名手建築設計事務所(名手章代表)。