第96回全国高校野球選手権和歌山大会は8日目の19日に2回戦1試合と3回戦2試合、9日目の20日と10日目の21日に3回戦各3試合が行われ、ベスト8が出そろった。地元勢は3回戦に3校が登場。21日の紀央館は持ち前の長打力を発揮、1本塁打を含む5本の長打で星林に打ち勝ち、22年ぶり10回目の8強入りを決めた。19日の日高中津は伊都に思わぬ大敗を喫し、20日の南部は最終回の反撃及ばず和歌山商に惜敗した。
 紀央館は2回、廣野の中前打と三井田の四球、西川の犠打で1死二、三塁と攻め、山﨑の左前打でまず1点。なおも一、三塁から村中が低めの難しいボールを見事にスクイズし、1点を追加した。5回は先頭の嶋津が左中間二塁打を放ち、送りバントで3進後に森が三遊間をしぶとく破る適時打。9回には2死二塁から主砲の久保が大会第11号となる2点本塁打を左越えへ運んだ。
 打線が先制、中押し、だめ押しと効果的に得点すれば、守備陣もリズムに乗る。先発・廣野は3回まで4安打を浴びながら無失点。3回は無死から連続安打を許したが二走をけん制で刺して自らを助け、さらに二塁打を打たれても投ゴロ、右飛で踏ん張った。2番手・竹中は5回に4単打を集中されたものの最少失点で粘り、2イニングを5安打1失点。6回から登板の3番手・楠岡は決め球のチェンジアップがさえ、4イニングを3安打無失点。9回無死から失策の走者を背負うも動じることなくマウンドを守った。
 紀央館は相手12安打に対し10安打も長打力で勝り、着実に得点。初戦に続く3投手の継投策がずばりと的中し、星林を振り切った。