第96回全国高校野球選手権和歌山大会は4日目の14日、2回戦3試合が行われた。第2試合の南部は初回に一挙5得点して主導権を握ると1時間27分の降雨中断もなんの、11安打の猛攻で熊野に8回コールド勝ち。初戦を快勝し、昨年準優勝の雪辱へ好発進した。第3試合の和高専はエース・則村の好投で古豪・市和歌山と互角に渡り合う健闘を見せたものの延長10回に力尽き、5年ぶりの初戦突破はならなかった。
 南部は初回無死からの連続四球と内野ゴロで二、三塁と攻め、古岡の右前打でまず1点。なおも四球で満塁とすると、相手2番手投手の代わりばなを小田がたたき、左前打で1点を追加した。さらに2死後に敵失で1点、前山の左前打で2者を迎え入れ、この回一挙5得点の猛攻を締めくくった。
 2、4、6回の好機には無得点に終わった南部打線だが、終盤から再び爆発。7回は古岡、小田、久堀の安打で1死満塁と畳み掛け、庄野が初球のスクイズを見事に成功させた。8回1死、熊野の攻撃で降雨中断があったあとの攻撃では四球と栗田の左前打などで2死二、三塁とし、小山が左越えへ会心の2点二塁打を放って8回コールド勝ちを決めた。
 南部先発は昨年の準優勝左腕・松田。3回まで4三振を奪うなど1人の走者も許さない素晴らしい立ち上がりを見せ、5回には先頭の右前打から守備の乱れも絡んで1点を失うも7回まで散発4安打に熊野打線を封じた。8回からは昨年もあった必勝リレーで、小山が2番手登板。小山は降雨中断後も落ち着いてマウンドに立ち、1イニングを無安打無得点に抑えた。
 南部は3盗塁、3犠打にエンドランを決めるなど持ち前の機動力も発揮。攻守にわたって熊野を圧倒した。3回戦は大会9日目の20日、第2試合(午前11時半~)で和歌山商―有田中央の勝者とぶつかる。
 和高専は2点を追う8回、大岩と中嶋の右前打などで1死一、三塁とし、小西の遊ゴロの間に1点。なおも2死二塁から裏野が右越えへ適時三塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。延長10回には北村の左前打から2死二塁と勝ち越し機もつかんだが、小西が右飛に倒れた。
 エース・則村は市和歌山打線を6回まで0封。4回以外は毎回走者を背負ったが、3回は先頭打者の三遊間への当たりを三塁・井口が横っ飛びで処理し、5回は2死一、二塁の場面で遊撃・清水が頭上への痛烈な打球をジャンプ一番好捕するなどバックの堅守にも支えられた。7回、2本の長打と守備の乱れで2点を先制され、延長10回は1死二塁から右越えへサヨナラ打を痛打されたものの、最後まで1人でマウンドを守り抜いた。
 和高専打線は相手10本に対して9本の安打をマーク。古豪を追い詰めたが、あと一歩及ばなかった。