旧JAみなべいなみ管内(みなべ・印南町)の梅の出荷が7日で終了し、JA紀州は今シーズンの販売状況をまとめた。主力品種の南高梅の価格は㌔当たり306円で、昨年の310円を下回った。出荷量は3436㌧で、目標だった3200㌧をクリア。同JAでは「6月初旬に関東や北海道で長雨があり、消費者が買い物に出かけにくくなったことが梅の消費にも影響した」と話している。
 南高梅の出荷受け付けは5月29日から始まった。昨年の豊作に比べことしは不作傾向といわれ、出荷量が心配されたが、序盤から順調に推移。最終的には目標を7・3%上回った。大きさの階級は2Lが最も多く32%、次いで3L28%、L20%、4L13%、M6%、S1%の順となった。半面、価格については全体的に低調で、JAみなべいなみが発足した平成15年以降では過去最低。豊作だった昨年の310円をさらに4円下回った。同年以降は平成15年が703円、16年が633円で、その頃と比較すると半分以下。
 病害虫については、当初はカメムシの発生による果実への被害が心配されたが、南高には大きな影響はみられず、秀品率は「まずまず」という。同JAでは「出荷量の約6割を占める関東方面で6月初旬に続いた長雨が、梅の消費にも響いた。北海道でも長雨があり、影響したとみられる。それだけではなく、以前と比べると梅の消費は全体的に低迷しており、価格も低調になっている」と話している。東本庄の農家(56)は「ことしは出荷量が少なかったが、価格がそれに伴って上がらず厳しい年になった」と話している。