7月の台風としては最強クラスといわれる台風8号は、8日正午現在、非常に強い勢力を保ったまま宮古島の北東約110㌔を北に向かっている。このまま予報円の中心を通れば和歌山県には11日朝に最接近するとみられ、日高地方ではビニールハウスを外すなど多くの住民が準備作業に追われている。
 農業用ビニールハウスが立ち並ぶ御坊市名田町では「雨風が強まる前に」と8日朝、ビニールを取り外す農家の姿がみられた=写真=。野島地内でキュウリを栽培している山本博夫さん(70)は「この時期はキュウリに雨を当てたくないが、すごく風が強いらしいので、ハウスが壊れることを考えると仕方がない。なんとかそれてほしいのですが」と願いながらハウスに上ってビニールを外していた。
 和歌山地方気象台によると、中心気圧は935ヘクトパスカルで、今後本州に近づくにつれて勢力を弱めていくとみている。予報円は前日に比べて南に寄っており、このまま中心を通れば紀伊半島南の太平洋を通るが、北よりに進路をとれば直撃の可能性もあり、高波や暴風に警戒が必要だ。