田辺市の扇ヶ浜で5日、2人ずつがペアになって腕を組み合った状態で乾杯する「クロス乾杯」が行われ、認定人数866人でギネス世界記録が樹立された。主催したのは白浜・田辺青年会議所(早稲田好則理事長)で、参加者は特産の梅酒や梅ジュースを手に「かんぱ~い」と飲み干した。これまでの世界記録だった京都市伏見区の802人を超えた。
 特産の梅をみんなで広く発信しようと企画。「絆で結ぶ地域の宝~みんなで挑もう世界記録~」のフレーズで参加者を募り、この日までに予定の1000人の申し込みが集まった。当日の参加人数は子どもからお年寄りまで888人。2人がペアになり、立った状態でグラスを持った手をお互いにクロスさせ、「乾杯」と言いながら飲み干すというルール。途中で腕が崩れたり、飲み干せなかったりすると失格となる。ギネス公式認定員が会場を訪れてチェック。888人(444組)のうち22人(11組)が失格となったが、これまでの世界記録を64人上回った。会場で「世界記録が達成しました」とアナウンスされると、大きな拍手が上がった。田辺市江川、会社員岡本寛史さん(56)は「達成できて最高の気持ちです」、田辺市秋津町、大峰良子さん(42)誠花さん(16)の親子も「ギネス記録樹立の一員になれてうれしい」と喜び合っていた。早稲田理事長は「雨天の可能性や暑さなど天候面で心配材料もあったが、地域を挙げて達成できたことがとてもうれしい」と笑顔を見せていた。
 田辺市は昨年11月、梅酒などによる乾杯を奨励する「梅酒で乾杯条例」を制定している。