御坊市外五ケ町(日高)病院経営事務組合議会の定例会が3日に同病院で開かれ、11月から心臓病や血管の病気の専門科となる「循環器内科」を本格的に開設することが報告された。ことし4月から先行して専門医1人で開設していたが、5人に増やして検査機器も導入するなどで診療態勢を確立させる。循環器の医療対応で日高・有田地方の拠点として期待されている。
 同病院では4月から新診療・管理棟の2階に循環器内科の外来を設けていたが、医師は1人で、設備も整っていない状況だった。しかし、以前から医師派遣要望を重ねていた和歌山県立医科大学から今月に入って1人追加、今後さらに3人を増やして計5人で診療を行えるめどがついた。これに伴い、専用機器の導入や既設の心臓エコー室を改修しての検査室確保、関連スタッフの研修などを進めていく。予算は全て含めて1億数千万円。ことし10月の議会定例会で補正予算を計上するが、事前に機器購入などを進めて準備するため、当初議会で計上した他の予算から一部流用することで議会の承認も得た。
 東克彦院長は「総合病院として循環器内科をつくることを夢見て、新診療・管理棟も設計していた。これまで循環器は和歌山病院だったが、今後は当院が受け持つとことになり、責任の重大さも感じている。万全の態勢を整えていきたい」と意気込んでいる。小川周司事務長は「医大からの医師派遣に大変感謝している」と話している。
 一般的に循環器内科の対象疾患は狭心症や心筋梗塞(こうそく)、心臓弁膜症、不整脈、感染性心内膜炎、高血圧症、大動脈瘤(りゅう)、肺梗塞など。高血圧、糖尿病、喫煙習慣、高脂血症など循環器疾患のリスクの高い人は定期的な診察がよいとされている。
 定例会では組合職員の特殊勤務手当及び管理職手当に関する条例の一部改正の1議案で審議し、原案通り可決した。改正に伴い、看護職員で病棟業務に従事する職員を対象に午後8時以降も業務をした場合は遅出手当(800円)を支給する。早出手当(300円)は以前からあり、遅出手当が追加された。