少年非行防止に貢献のあった人らをたたえる本年度全国少年補導功労者表彰の栄誉銀章に、田辺署管内で唯一、みなべ町北道の菓子店「みさき堂」店主の三前雅信さん(68)が選ばれた。20日に田辺署で伝達式が行われ、徳田太志署長から表彰状を受けた。三前さんは補導員として28年にわたり子どもの見守り活動を続けているほか、少林寺拳法を通じた熱心な健全育成が高く評価された。
 伝達式は署長室で行われ、徳田署長は「管内の少年非行が減少しているのも三前さんたちのおかげ。これからもご協力お願いします」とねぎらった。
 三前さんは昭和61年4月に県警本部長委嘱の少年補導員になってから、毎月の小学校前でのあいさつ運動、夏休みの街頭活動、花火大会での巡視など積極的に活動している。平成6年からはみなべ地区地域安全推進員も兼務し、安全なまちづくりに貢献している。
 補導員等の活動以外にも、少林寺拳法南部道院の代表を務め、約70人の子どもたちの健全育成に力を傾注。3年前からは上南部中学校の武道の授業で少林寺拳法を指導しており、菓子職人としても南部高校の生徒にケーキ作りを教えるなど、子どもたちと積極的に交流している。「小・中・高校生とかかわりを持つ機会に恵まれているので、いつも『危ないことはしない』『友達をたくさん作ることが大切』などと話しています」と常に健全育成を心がけており、「いろいろ指導している中で、初めは面倒くさそうにしている子どもたちも、こちらが一生懸命になると気持ちが伝わるのか、しだいに熱心になってくるのがよくわかる」と、本気で子どもたちにかかわることの大切さを強調した。受章に「一人でできることではありません。ボランティア意識の高い仲間の協力のおかげ」と感謝し、「非行に走るまでの予防が大事。これからも地域全体で子どもたちを見守っていくという意識を多くの大人に持ってもらえるよう、積極的に活動していきたい」とますます張り切っている。