平成26年春の褒章受章者が決まり、日高地方からは長年にわたり保護司を務めてきた笹野久代さん(72)=印南町印南原・農業=が更生保護功績で藍綬褒章に選ばれた。県内では業務奨励や消防功績などで8人が受章。笹野さんの伝達、拝謁は12日に東京で行われる。
 笹野さんは平成元年に稲原地区の保護司となり、以後13期26年、罪を犯した人たちの精神的、社会的な支えとして社会復帰した際に幸福な人生を送れるよう献身的に活動。また日高保護司会の印南分会長を務め、社明運動や薬物乱用防止の啓発などにも力を入れている。
 これまでに保護観察の対象となった少年5人を担当。窃盗や交通事故などで1~3年間、毎月2回自宅へ迎え、1回は訪問。いまどんなことをしているのかなど少年たちの話を親身になって聞き、社会復帰を助けてきた。担当してきた少年たちは家業を継いで農業に就いたり、土木の仕事を始めたり、結婚して子どもができるなど、再び罪を犯すことなく、健全な社会の一員となっている。笹野さんは「みんな自分の孫のように接してきました。大人になって結婚したり子どもが生まれたこと、仕事に就いたなどの話を聞くと、うれしくてやりがいを感じます」と笑顔を見せる。受章については「夢にも思っていなかったので、とても驚いていますが、非常に名誉なことと感じています。75歳の定年までの3年間、この受章を励みに続けていきたいです」と話している。