御坊市出身の元幕内力士でことし1月に現役を引退した木村山関(32)の断髪式と年寄「岩友」襲名披露祝賀会が26日、東京の如水会館で行われた。
 断髪式では約160人がまげにハサミを入れた。御坊小・中学校時代の同級生でいまでも親交がある4人も招かれ、親友の門出を祝った。同級生の一人、秋山総一郎さん(32)は、「ハサミを入れるとき、お疲れさんの言葉と、御坊祭のノリでヨンヨイと声をかけました。笑ってくれてました」と和やかな雰囲気で、「これからは親方としていい力士を育ててほしい」とエールを送っていた。土俵なら女性は上がれないが、会館での断髪式のため山本寿さん(36)と木村直子さん(35)の姉2人にも参加してもらってうれしかったという木村山さんは「地元御坊だけでなく、御坊出身で東京在住の方々ら多くの人の支えがあったおかげ」と感謝し「1月に引退していましたが、いざまげを切るとやっぱり寂しい気持ちもありますね」と本音もちらり。今後は春日野部屋付きの岩友親方として後進を指導していく立場で、「いままで育ててくれた部屋に恩返しし、強い力士を育てていきたい」と決意を新たにしていた。
 木村山関は平成16年3月に初土俵。最高位は前頭7枚目で、幕内は16場所つとめた。ことし1月の初場所を最後に引退するまで10年間大相撲で活躍した。