みなべ町は、平成25年度のコミバス(コミュニティバス)の利用者数をまとめた。7810人で、前年度より3.2%(260人)の減。台風12号豪雨被害の影響で客足が遠のいた平成23年度に次いで2番目に少なかった。コミバスの利用者は年々減少傾向にあり、町の依頼で改善策を検討した和歌山大学経済学部の辻本勝久教授は観光振興への活用などを提言している。
 コミバスはお年寄りら交通弱者の活動支援を目的とし、平成17年10月から試験的に導入。19年4月から本格運行を始めた。デマンド方式(予約制)で、料金は大人300円、小学生以下が150円、乳幼児は無料となっている。
 これまでの利用状況をみると、本格運行した初年度は8964人、翌20年度は9021人となったが、21年度は8827人、22年度は8488人と右肩下がりに減少。23年度は台風12号の影響で大幅に減り、7235人と初めて8000人を割り込んだ。24年度は8070人に回復したものの、25年度には再び8000人を切り、7810人と低迷。関係者は、「以前は高齢者の多くが運転免許を持っていない世代だったが、いまは高齢者も車を運転する人が多くなっているのではないか」と減少要因を分析している。
 こうした状況を踏まえ、町は昨年6月、和歌山大学の辻本教授に利用減に伴う改善策などの調査を委託。利用者を対象にしたアンケート調査では「満足」「やや満足」が96%を占め、全体的に満足度は高いことが分かった。改善策としては「利用実績の多い地点への停留所の新設検討」「チラシやホームページの改良」「入浴や食事を楽しむプランを提案するなど、鶴の湯温泉と連携した活性化」「観光振興など多面的な活用」などを挙げている。