深刻化している看護師不足解消へ各市町や周辺事業所などが協力して日高総合病院内に新設した日高看護専門学校の開校式と第1期生40人の入学式が10日、同校で行われた。スーツ姿の男性10人、女性30人は初々しい表情で式に臨み、新入生代表は「地域社会に貢献できる人材になる」と力強く宣誓。日高地域の医療充実へ大きな期待を受けた看護師の卵たちが新しい一歩を踏み出した。
 開校式は真新しい校舎3階の講堂で行い、学生と保護者、専任教員、来賓ら約100人が出席した。
 開校にあたり、御坊市外5ケ町病院経営事務組合の副管理者、畑中雅央由良町長が「地域住民が良質な医療が受けられるよう、将来にわたって安定的に看護師を確保するための役割を担っている。地域の保健、医療、介護のために全力で頑張ってほしい」と願いを込めた。県健康局の野尻孝子局長は「知識と技術を学び、人間的にも成長し、卒業後は元気に活躍されることを祈っています」との仁坂吉伸県知事のメッセージを代読。中村裕一県議も、3年後の国家資格合格へ期待を込めた。
 引き続いての入学式では、学校長の森脇宏日高病院名誉院長が「皆さんが選んだ看護の道は、厳しくもあるが素晴らしい仕事だ」と強調した上で、「患者に対して愛情を持って接することで信頼関係が高まり、高度な看護力を発揮できるようになる。患者の痛みを感じる心を養い、日高地方の医療の力となるよう活躍してほしい」と激励した。日高医師会の池田明彦会長も「知識と技術、そして人間性を高め、日高看護専門学校の評判を確立してください」とエールを送った。新入生40人を代表して梶原由貴さん(18)=日高町=が宣誓し、「教育目的にある地域社会に貢献しうる有能な人材になれるよう、専門知識や技術を自ら進んで習得し、高い道徳心と協調性を持った看護師を目指し勉学に励むことを誓います」と決意を新たにした。
 記念撮影のあと学校内を見学。全国でも珍しい看護シミュレーターなどを興味津々に見つめていた。小さいころから医療ドラマを見てかっこいいと感じてこの道を選んだという竹本未来さん(18)=有田川町=は「将来はオペ室で活躍できる看護師になりたい」と張り切っていた。