御坊市名田町野島、特別養護老人ホーム日高博愛園(小林隆弘理事長)で3年間の研修を受けたインドネシア出身のプトゥ・インテン・クルニアティさん(27)が、国家試験の介護福祉士試験に見事合格した。外国人にとってこの資格取得は相当な難関となるが、博愛園からは昨年合格した同じくインドネシア出身のニケン・ヤスティ・プラティウィさん(28)に続き2人目の誕生となった。
 国は経済連携協定(EPA)に基づき、平成20年度からインドネシアやフィリピンなどの介護福祉士や看護師の候補者を受け入れており、日高博愛園では21年1月から外国人の実務経験の場として協力している。今回、介護福祉士の資格を取得したプトゥさんは、母国で看護師になるための大学に通って資格も取得したが、実習の一環で高齢者と接する機会があり、介護福祉の仕事にも興味を持ったことから、卒業後に日本語を2カ月学んで22年8月に来日。横浜でさらに4カ月、日本語の勉強をしたあと、12月に博愛園に入り、食事や入浴、排せつなどの介護を実践で学びながら、筆記試験の勉強も重ねてきた。利用者からは「優しくて、よく気がつく」と評判も上々。
 以後、介護福祉士の試験を受けるために必要な条件となる3年間の実務経験と実技講習を終えたことで、ことし1月に受験し、先月27日に発表があった。合格に際して「試験勉強は大変でしたが、博愛園の職員の皆さんの協力もあり、頑張ってこれました。これからも日本で仕事を続け、同じような外国人の後輩の手助けもできれば。ほかの資格にもチャレンジしたいです」と意欲的。当面は博愛園で仕事を続けるが、将来の夢については「母国には介護の施設が少ないです。いつか知識が役に立てばと思います」と笑顔で話していた。