みなべ町は、大規模地震や大雨などの災害でため池が決壊した場合をシミュレーションした浸水想定区域のハザードマップを作製した。付近に住宅が多く大きな被害が懸念される五反池(芝)、上の谷池(晩稲)、小倉谷池(東本庄)の3カ所で、ホームページで公開している。町は「住民の防災意識の向上や万一の災害避難に役立ててもらいたい」と話している。
 浸水区域図は業者に委託して製作。貯水量や地形などから池の堤防が全壊した場合を想定し、マップにした。浸水深を1・5㍍以上、0・5~1・5㍍、0・5㍍未満の3つに色分けして表し、最短到達時間も1分、2分、3分、5分、10分、30分、60分と7段階に分けて示している。
 マップでは、芝の猪ノ山集会所近くにある五反池(満水面積1・2㌶、総貯水量34万㌧)の堤防が崩壊すると、南部高校付近の国道からみなべ自動車学校付近にかけて浸水。晩稲の光明寺から東へ約400㍍の位置にある上の谷池(満水面積0・5㌶、総貯水量1・9万㌧)の場合では介護予防センター付近まで浸水するとみられている。東本庄の来迎寺から北へ約400㍍の小倉谷池(満水面積1㌶、総貯水量3・6万㌧)の場合は東内科クリニック付近まで浸水区域となっている。町では避難の場所について「近くに2階建て以上の鉄筋コンクリートの建物がある場合は有効」とアドバイスしている。ハザードマップはホームページに掲載しているほか関係住民に配布した。
 町内で登録されているため池は103カ所あり、うち12カ所は埋め立てられたりして使われていない。今回は3カ所でハザードマップをつくったが、今後残りの88カ所についても作製していく方針。