由良町は、中地内にある町有財産、通称旧原邸について、観光、地域交流施設として有効活用する方針を決めた。新年度は3000万円の予算をかけ、建物の一部を産品販売所に改修。新たに常時使用できるトイレを新築し、駐車場のアスファルト舗装なども行う。将来的には地元食材を使ったレストラン運営などの構想もあり、地域活性化の拠点へ整備を進めていく。
 旧原邸は、平成23年2月に所有者から寄付を受けた。敷地は約2400平方㍍の広さがあり、建物は築百数十年。いずれも平屋建てで、195平方㍍の母屋、104平方㍍の長屋門(江戸時代の武家屋敷などで、長屋の一部に門を開いたもの。明治以後は富農の家屋敷にも作られるようになった)などがあり、レトロな雰囲気を漂わせている。JR紀伊由良駅から北へ約1㌔の国道沿いに位置し、乗用車数十台分の駐車場も備えている。現在は薬草栽培などで町活性化を図ろうと活動しているNPOに無償貸与しており、昨年暮れには特産品開発、町PRグループの地元産品を使った料理試食・PRイベントの会場としても利用された。
 活用方法は町の中堅、若手職員がメンバーの庁内プロジェクトチームでアイデアを出し合い、畑中雅央町長が昨年の12月議会で地元の農産物販売、地元食材のレストラン、観光案内の施設として活用する案を示していた。
 町では11日開会の3月議会に提案する平成26年度一般会計予算に旧原邸を有効活用するためのハード整備費3000万円を計上。予算が認められれば長屋門と母屋の間へトイレを新築、長屋門を産品販売所へ改修、駐車場をアスファルト舗装などの工事に取りかかる。新年度は建物の改修などに加え、施設運営者の選定、イベント開催などにも取り組む。
 現場は国道沿いで、観光客や町民が立ち寄るのにも便利な場所。全国的にも古民家を活用したレストラン、カフェはブームとなっており、今後の整備しだいで地域活性化の拠点になっていきそうだ。