県内の公立高校で3日、卒業式が行われた。御坊市内の日高(上田優人校長)では231人、紀央館(栗本恵司校長)では190人が卒業。保護者や在校生、教職員から祝福の言葉を受け、3年間の思い出を胸に新たな一歩を踏み出した。
 日高 卒業証書授与のあと上田校長が式辞。「卒業する皆さんに『出藍(しゅつらん)の誉れ』という言葉を贈ります。これは染料の青色は原料となる藍(あい)より青くなることから、弟子が師より優れているという意味です。変化の激しい現代社会では学校で得た知識は必ずしも長期にわたり生かせるとは限りません。しかし皆さんは知識とともに『学び方』を身に付けました。これからは自ら学び、学び続ける強い意志が重要です。日高で受けた教育をより発展させ、私たちを乗り越え、日本が抱える多くの課題を解決できる人物に、『出藍の誉れ』になってください」とエールを送った。
 紀央館 卒業証書授与に続き、栗本校長が式辞。幕末国内を恐怖に陥れた黒船に乗ってみたいと思った吉田松陰と坂本龍馬のエピソード、台風被害に遭った農家が無事だったリンゴを〝落ちないリンゴ〟として販売したところ、受験生に大人気になったというコピーライターひすいこたろうの本の話を紹介。「マイナスに見える局面でも必ずプラスはある。問題はあなたがプラス、マイナスどちらを見るかということ。物事の見方、気持ちの持ち方一つでプラスに見える。松陰と龍馬、リンゴ農家のプラス思考で、自分の可能性を信じて困難な局面でも前向きに乗り越えていただきたい」と激励した。