御坊ロータリークラブ(野村義夫会長)の創立記念例会が14日、御坊商工会館で開かれ、和田勇賞と「第9回和田勇物語感想文」最優秀賞の表彰式が行われた。和田勇賞は昨年9月に他界した美浜町三尾、アメリカ村カナダ移民資料館元館長の西浜久計さん=御坊市薗=が受賞。感想文最優秀賞には、5年生対象の小学校の部で稲垣愛菜さん(志賀小)、2年生対象(河南中のみ1年生)の中学校の部で下畑伊織さん(日高附属中)が選ばれ、野村会長から表彰状が贈られた。 
 和田勇賞は、幼少期を御坊で過ごし、「超我の奉仕」で東京五輪誘致に尽力、戦後の日本の復興に貢献した故和田氏の功績をたたえ、平成16年に同クラブ50周年記念事業として感想文表彰とともに創設。ボランティアやスポーツ振興、文化活動など通して地域社会に貢献した人に贈っている。同賞の該当者は3年ぶりで、西浜さんは、教職当時から文化活動に積極的に取り組み、生まれ故郷である三尾を中心とした移民の歴史を研究。日高地方の教育、文化向上にも多大な功績を残した。また、ロータリークラブ例会では和田氏の偉業について語り、和田勇賞と感想文表彰のきっかけとなった。受賞に際し、西浜さんの長男、伸通さん=奈良県生駒市在住=は「和田勇さんは東京五輪招致に多大な功績のある方で、奇しくも2020年の2回目の東京招致が決まったのは、父の葬儀の日でした。カナダ移民研究などの活動が、御坊・日高から世界に飛躍していく方々に少しでも役立つことができれば大変うれしく思います」と話している。
 感想文は、ふるさとの偉人について知ってもらいたいと日高地方の各学校に絵本とビデオを配布し毎年募集。ことしは小学校の部に17校412人、中学校の部に12校485人の応募があった。稲垣さんは、日本・アメリカ両祖国のために努力を惜しまなかった和田氏の大きな心と優しさをたたえ、「和田氏のように誰かのために頑張れる人になりたい。困ったことや辛いことがあってもあきらめず、あと一歩を踏み出せる人になりたい。私が住む日高町のために何かできたらと思う」とつづっている。下畑さんは、五輪誘致で日本に希望と若者に活躍の場を与えた和田氏の愛に感銘を受け、「彼は〝次はお前たちが頑張れ〟というメッセージを若者たちに伝えたかったんだと思う。その思いを引き継ぎ、まずは周りの大人たちに感謝の心を持ち、自分がするべきことを精いっぱいやって少しずつ期待に応えられるような人になっていこう」と訴えている。
 表彰式では、稲垣さんと下畑さんは会員の前で作品を発表。市役所前にある和田氏のレリーフ前で記念撮影を行った。感想文の優秀賞、入賞は次の皆さん。
 【小学生】優秀賞=坂口亜沙美(清流)、小川唯奈(和田)▽入賞=吉本龍正(御坊)、神道光亮(和佐)、山本裕矢(江川)、今村朱里(塩屋)、寒川薫(川辺西)、阪本淑恵(藤田)、藁科早希(切目)、玉置莉悠(稲原)、楠見慎海(名田)、風山実優(三百瀬)、今井佑奈(湯川)、岡田結衣(印南)、鈴木拓海(比井)、加藤菜乙(内原)【中学生】優秀賞=紺谷優志(湯川)、黒祖太智(日高附属)▽入賞=柏木柚香(名田)、平将人(切目)、畑中杏(清流)、松原実由(日高)、橋爪友希(河南)、中野歩美(御坊)、玉置皆好(稲原)、在路竣(大成)、小山桃葉(名田)、松下羽衣(由良)、杉本まりん(松洋)