御坊市塩屋町北塩屋区環境保全の会(木村三樹夫会長)は、地元で舞妃蓮が植えられている「中山のハス池」を、ほぼ2倍の面積の550平方㍍に拡張した。ハス池は整備されて6年目で、毎年6、7月に美しい大輪の花を咲かせる人気スポットだが、今回の面積拡張で国内屈指の規模となり、観光名所としてさらに定着していきそうだ。
 中山のハス池は休耕田を有効活用するとともに、御坊生まれの舞妃蓮をPRする場所にしようと中山団地近くに整備。舞妃蓮を作り出した故阪本祐二さん(元日高高校教諭)の長男尚生さん(印南中学校教諭)の協力で分根され、最初は試行錯誤しながらも3年目ぐらいから花を咲かせるようになってきた。昨年のシーズン中は淡いピンク色の大輪が約300本も咲き乱れるほどで、フォトコンテストも行うなどで愛好家はもちろんアマチュアカメラマンも多数訪れた。
 そんなハス池をさらにグレードアップさせようと、今回隣接する休耕田を整備して面積を拡張。長さ10㍍あった既設の桟橋もさらに10㍍延長した。去る9日には地元有志が協力して周辺の木々を伐採し、桟橋の防腐塗装も行った。拡張した場所には来月下旬にも分根する予定。ことしはまだ早いが、来年のシーズンには全体的に根が広がって素晴らしい景観が期待される。阪本さんは「面積を広げることで、日本一、いや世界一といっていいほど素晴らしいハス池になると思う」と楽しみにしている。
 舞妃蓮はアメリカの黄花ハス「王子蓮」と日本の「大賀蓮」との交雑種。昭和43年には蓮根が皇太子ご夫妻に献上され、花の開閉があたかも女性の舞い姿のようであることから、当時の美智子妃殿下のイメージも重ねて名前が付けられたという経緯がある。
 BSジャパンは、3月3日午後7時から「皇室の窓スペシャル~天皇ご一家と花」を放送する。皇室の公務や普段の生活を紹介する番組で、ゆかりの舞妃蓮が紹介される。