印南町上洞地内の住民でつくる「奥真妻活々倶楽部(太田正美代表)」が、地元の買い物難民対策として進めてきた店舗整備が間もなく終わり、16日午前11時からオープンする。国と町からの補助を受け、旧商店を改修した店舗で、生活必需品などの販売だけでなくコミュニケーションの場、地域活性化の拠点としても活用する。
 印南町の上洞、川又などの奥真妻では昨年2月に唯一の商店が閉店し、地元住民の生活必需品の購入などが困難な状態となっている。そんな中、地元有志20人が「奥真妻活々倶楽部」を立ち上げ、閉店になった店舗を借り受けて生活必需品などを販売しようと取り組みをスタート。国の過疎集落等自立再生対策事業を活用して900万円の交付を受け、町の補助と合わせて約1300万円で店舗の改修や観光に向けた取り組みなどを進めてきた。
 店舗は主に買い物で遠くまで出られない高齢者らを対象にしており、ティッシュやトイレットペーパー、インスタント食品、缶詰、調味料など保存の利く商品を販売。農機具用にガソリンも用意する。運営については補助金などはなく、有志ら自身で行っていく必要がある。
 店員は有志がボランティアで行うが、電気やガス代などの経費分は売り上げで賄っていかなければならない。
 店舗内には販売スペースだけでなく、テーブルセットなどもあり、地元住民の憩いの場としても利用。またメンバーでは近くの山「三里峰(さんりほう)」をハイキングコースにしようと整備も進めている。太田代表は「運営は厳しいと思いますが、買い物に出るのが難しい方のためにも、地域みんなで協力していきたい」と話している。
 16日はオープンイベントとして、ぜんざいの無料配布を行う。