御坊広域行政事務組合管内の御坊、美浜、日高、印南、日高川の5市町が、し尿くみ取り料金を現行の18㍑当たり200円から25円アップ(12・5%)の225円に引き上げる方針を固めた。4月からの消費税8%への値上げと燃料費の高騰など考慮して設定された額で、引き上げは17年ぶり。各市町の当初議会で関連する条例改正が可決されれば、4月1日から施行される。これに伴い1世帯当たり年間で最高4000円程度の負担増となる。
 くみ取り料金は平成9年3月末まで170円だったが、同年4月から現行の200円(5%税込み)に引き上げ。18年度にはし尿くみ取り10業者でつくる日高環境衛生協同組合が、その当時から消費増税の話が出ていたことで引き上げを要望したが、くみ取り料金はそのまま据え置かれてきた経緯がある。しかし、ことし4月からの消費増税が確実となっており、同組合が再びくみ取り料金の引き上げを要望。当初、消費税アップ分と機材や燃料費の高騰などを理由に、現行から102円(51%)アップの302円(8%税込み)を提案していた。しかし、5市町としては圏域住民の経済的負担を考慮し、極力値上げ幅を圧縮。消費税3%アップの上乗せ分6円に燃料費高騰分として19円を加算した計25円の引き上げにとどめた。さらに5市町では同組合に対して住民へのさらなるサービス向上に努めるとともに、収集時の臭気対策として全車両への新型脱臭器導入を要請していく。
 現在、くみ取り式のトイレを使っている世帯は、5市町で6812世帯。今回の引き上げで1世帯当たり年間2000円から4000円、現行に比べ1割の負担が増えることになる。5市町のほか御坊広域行政事務組合の構成自治体となる由良町は、くみ取り業者が違うため料金体系も別となっているが、5市町と同程度の引き上げを検討している。一方、合併浄化槽の清掃料金については、各市町の条例で定められておらず、業者側が決定。いまのところ消費税3%のアップ分の引き上げを予定。