二十歳を過ぎた頃から親子喧嘩になると、「お前も親になったら分かるわ」と母親に決まり文句のように言われ続けてきた。かなりの時間がたち、40歳の先月31日。待ちに待った第1子、女の子が産まれた。ようやく父親になれた。
 出産予定日は2日前の29日。昨年暮れには妻がやや体調を崩して入院したため、少し予定日より早く産まれるかも知れないと思っていたのだが、「初産は遅れる」と出産経験者の方々から聞いていた通りになった。午前3時半ごろ、破水したため病院に入ったと連絡を受け、様子を見に急行。その後、まだ産まれそうにないということで自宅に戻って出勤した。取材を終えての空き時間、午後3時前に病院へ着くと、義母からもう長女が誕生したと報告を受けた。妻子とも「大丈夫ですよ」と医者の言葉を聞いてまず安心。妻は少し安静が必要でしばらく会えないとのことだったが、子どものところにはすぐに案内してもらえた。待ちに待った長女との初対面。早くも親バカといわれるだろうが、一緒にいた義母にも「まぶしい」「美しい」という言葉しか出てこなかった。
 泣く、笑う(そんな気がする)、子どもの一挙手一投足から目が離せない。口ではどんなにきつく言っても親が子どもに注ぐ愛情は、まさに親になってみないと分からないと実感。この子をきちんと育てていかなければという責任感もひしひしと感じている。
 結婚2年が過ぎ、妊娠が判明。それから本当に多くの方々にお世話になった。第一に妻に、産まれてきてくれた子どもに感謝だが、同じように妻の両親、自分の家族、友人、知人。周囲の人たちにも感謝の気持ちでいっぱいと伝えたい。   (賀)