万能細胞を容易に作製することに成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)らの研究が、世界から注目されている。一時的に細胞を酸性溶液に浸してストレスを与えると、細胞が初期化されるという。「STAP細胞」と名付けられ、例えると成長した細胞が赤ちゃん細胞になるような現象が起こるという。ノーベル賞を受賞した山中伸弥・京都大学教授のiPS細胞よりも簡単に製作できることなどがメリット。ヒトで応用ができれば、再生医療に大きな期待ができる。
 2年前の国際学力調査の結果は、数学でみると1位が上海、2位がシンガポール、3位が香港で、日本は7位。科学では1位が上海で2位が香港、3位がシンガポール、日本は4位という順。日本は上位に位置しているものの上海などには劣る。これだけを考えると、科学分野などでの発見は中国などに劣るではないかとも思えるが、ノーベル賞の受賞は圧倒的に日本人が多い。大発見には優れた頭脳だけではなく、努力や根気、協調性など人間性も大きな要因となる。そういう部分では日本が他よりも優れているのだろう。
 小保方さんは、「何度も実験をやめようと思った。『間違い』と言われて夜通し泣いたこともあった。しかし、あと一日だけ頑張ろうと続けていると、いつの間にか今日に至った」と振り返った。
 筆者のような凡人は、何度生まれ変わっても到底こんな大発見をすることはできない。しかし、あきらめないで努力するということを繰り返していれば、自分にとっての大きな成功や発見につながることだろう。   (雄)