近畿地区JA青年大会が奈良市で開催され、農業への思いを各府県の代表者が発表する「青年の主張」の部で、JA紀州中央青年部の亀井浩さん(33)=日高川町三百瀬=が最優秀賞を受賞。2月12・13日に東京日比谷公会堂で開かれる全国大会への出場を決めた。亀井さんは「食育イノベーション」のタイトルで子どもたちが「農業って面白い」と実感できる新しい食農教育を提案し、高い評価を受けた。
 青年の主張の部には滋賀を除く近畿各府県代表の5人が発表。亀井さんは昨年7月の県青年大会で最優秀賞を受賞し、県代表となっていた。
 亀井さんはミカン栽培農家で、青年部川辺支部の副支部長を務めており、発表では小学校と連携してタマネギなど農作物を栽培する食農教育に取り組んでいる経験から食育に関心を持ったことを説明した上で、学校行事であってももっと本物を追求することが必要だと強調。▽栽培園地に足を運んで実際に見て触れて農家から話を聞いて学習する▽草引きなどの管理は児童が自発的に行う▽栽培に失敗しないようマルチビニールや最新の農機なども使って実践して楽しむ――の3点をコンセプトに挙げ、「ただの学校行事で終わることなく、真剣に楽しむ体験にすべき。地域の小学校対抗のコンテストを開催してみるのも面白い。大きさや収量を競わせると、子どもたちが真剣に農業に向き合うことができ、やりがいや楽しさを知ってもらえるはずです」などと熱い思いとユニークなアイデアを提案し、審査員から評価を受けた。
 受賞に「ほかの発表も素晴らしかったので、選ばれてびっくりしましたが、すごくうれしいです」と笑顔。「たとえ授業の一環であっても、子どもたちがまたやってみたいと思える取り組みが必要だと感じて、思いを発表しました。学校や地域の協力も必要で、実際にやるのは大変なこともありますが、農業の楽しさを知ってもらいたいという思いを持ち続けてこれからも活動し、全国大会でもしっかり主張してきたい」と張り切っている。