㈱アクリフーズ群馬工場が製造した冷凍食品から農薬が検出され、全国的に健康被害の訴えが相次いでいる問題で8日、御坊市の30代の女性が回収対象商品を食べて体調を崩し、一時入院していたことが分かった。日高地方からの健康被害の訴えは初めて。女性は同市内のスーパーで商品を購入。残品は同社に返品したため、食品との因果関係は分からないという。
 県によると、御坊市の女性は昨年11月か12月ごろ、市内のスーパーで、アクリフーズ群馬工場で製造された「えびとチーズのグラタン(4個入り)」を購入。先月15日の昼に1個を食べたところ、夜中におう吐、下痢、腹痛などの症状が表れ、20日まで6日間入院した。残品は自宅に保管していたが、年末から始まった農薬混入、商品回収のテレビ報道等を受け、本人がアクリフーズに返品しており、農薬が混入していたかどうかは分からない。女性はすでに回復しているという。
 このほか、県が8日に発表した県内の新たな健康被害報告は、紀の川市の60代の女性、橋本市の30代の女性と60代の女性、東牟婁郡の10代の男性と女性ら4件6人。また、和歌山市も8日、同市内の6歳の男児ら7人が新たに体調不良を訴えたと発表した。これまでに県と和歌山市が回収、調査した残品はすべて、農薬は検出されていない。
 県は「家庭で対象商品(裏面に製造者『株式会社アクリフーズ群馬工場』と記載)を見つけた場合、絶対に食べず、アクリフーズ群馬工場へ送付してください。また、対象品を食べて具合が悪くなった場合、ただちに医療機関を受診し、最寄りの保健所に連絡を」と呼びかけている。問い合わせはアクリフーズ群馬工場℡0276―63―4151、御坊保健所℡0738―22―3481。