御坊市教育委員会は12日、湯川中学校敷地内で進めていた第2期小松原Ⅱ遺跡・湯川氏館跡発掘調査の結果を発表した。室町時代の豪族・湯川氏館跡については、これまで発掘されていなかった南東部の調査で全容が解明。館の敷地が東西225㍍、南北200㍍と推察され、国内最大規模であることが裏付けされた。また、道成寺創建当時と同形式の丸瓦が発掘され、8世紀初頭の白鳳時代にまでさかのぼる古代寺院が存在した可能性もあるという。
発掘調査は湯川中学校改築事業の一環として、同校敷地内の新校舎・体育館建設予定地4000平方㍍を対象に第1期が1400平方㍍、今回の第2期が2600平方㍍で実施した。湯川氏館跡は、湯川中と西に隣接する紀央館の敷地まで広がると推察され、過去の調査では、南北と西側で館の境界を示す堀が見つかっていた。第2期調査では東側の境界である堀をはじめ、入り口(虎口)に設けられた橋脚、庭園の池なども見つかり、これで東西南北全体の規模が判明。かつて山口県の周防にあった大内館など各地の守護館に匹敵するか、それを超える規模とされている。また、焼けた柱材も発掘されており、羽柴秀吉の紀州攻めで焼かれたことの証と考えられる。
一方、溝からは白鳳時代とされる模様が入った丸瓦の一部が出土。過去の調査では平瓦が出土して寺院があったことは推察されていたが、模様などが入っていないため、奈良時代の遺物と思われていた。しかし、今回の丸瓦で奈良時代よりも一つ前の白鳳時代にまでさかのぼって寺院があったことが判明。同形式の瓦を使っていた道成寺から運んできた可能性も指摘されるが、複数見つかったことから、この場所に寺院があったと見る方が自然だという。
発掘調査は教委から委託を受けた県文化財センターが実施。結果の詳細については、17日午後1時半からの現地説明会で報告される。

