「あと数十年以内に大地震が発生する」などと言われるようになって久しい。日高地方の各自治体や各団体でも防災への取り組みが進められている。平成23年の東日本大震災では想定外の津波の高さに、県内の津波高の想定も見直されるとともに、各団体や個人の防災への意識もより高くなり、危機感も増しただろう。現在も東日本大震災の影響で防災意識は高いだろうが、「天災は忘れたころにやってくる」と言われるようにこの先数十年もこの意識を保つことができるだろうか。
 先日、和高専・次世代テクノサロン(和高専など主催)で、徳島大学環境防災研究センターの中野晋副センター長の講演を聴いた。中野氏は災害医療現場で開発された「アクションカード」の活用を提案。緊急時に集合したスタッフに配布されるカードで、行動すべきことや責任が簡潔に記されており、限られた人員で効率よく緊急対応することができる。マニュアルのように複雑でないため、緊急時の運用に向いているという。医療現場だけでなく学校などさまざまな施設でも活用できる。さらにアクションカードのよいところは、訓練のたびに修正を加え、よりあらゆる状況に対応できるカードに仕上げていけることだ。
 最後に中野氏は「防災に終わりはない」と訴えていたのが印象的だった。いまは東日本大震災での悲惨な映像や写真を目にする機会は多く、津波の恐ろしさや避難所生活の大変さを、自分のことのように感じることができる。ただ今後数十年同じ意識でいられるかは疑問だ。そのためにもアクションカードのような継続性のある訓練方法を実施ししていくことが必要だ。    (城)