県の過疎集落支援総合対策事業で、田辺市龍神村柳瀬地内に地元の産品を売り出す直売所「村の爺婆(じじばば)の店 まあはいらんせ」がオープンした。安井地内の龍神地域振興館の一部を改修した加工場でつくったサトイモコロッケなどが並ぶ。運営する「村の爺婆会」(辻達行代表、29人)の会員は大半が70歳以上で、辻代表は「直売所は高齢者の生きがい」と笑顔で話している。営業日は基本的に土日曜日(午前9時から午後4時まで)。
 龍神村は昨年度に県の過疎対策総合事業に指定され、本年度から3年間にわたって県の補助を受けながら過疎対策事業に取り組んでいる。今回の直売所もその一環。龍神地域振興館1階の一部(約50平方㍍)を改修し、作業所と倉庫を備えた加工場を設けた。直売所は、加工場から約3㌔離れた国道424号と県道田辺龍神線の交差点付近の市有地に新設した。木造平屋で約20平方㍍。
 基本的に加工場でつくられた商品を販売する形で、村の特産のサトイモをつかった商品などが並んでいる。サトイモコロッケのほか、サトイモとあんを合わせて入れたもち、サトイモの茎(ズイキ)を使った巻き寿司などが出店され、開店が近づくと、村の爺婆会のメンバーがボランティアで仕込みを行っている。オープン初日の13日には、大勢が来場してにぎわった。
 辻代表は「加工作業などの時は和気あいあいとした雰囲気で、みんな楽しみながら取り組んでいる。今後も商品開発を進め、村のおいしい食材をPRしていきたい」と話している。