2年前の台風12号豪雨を教訓に、県は市町村が発信する住民避難情報の判断をより早く、詳細なデータを基に下せるよう、全国の自治体で初の気象予測システムの運用を開始した。従来の気象庁の情報に加え、市町村ごとによりきめ細かなエリアで、日本気象協会が提供する降水量予測を長時間と短時間に区別し、インターネットで24時間、確認することができる。
 県は台風12号豪雨を教訓として、昨年10月に避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成のモデル基準を策定。今回の新システムはこのモデル基準と合わせ、市町村がより的確に避難勧告等を発信できるようにすることを目的としている。
 県が従来運用してきた気象庁の短時間降水予報は最長6時間先までだったが、新しく導入したシステムは県内の市町村ごとに短期予測と長期予測の2種類を表示。短期予測は1㌔四方のエリアで最大3時間先までの10分間雨量を10分ごとに、長期予測は5㌔四方のエリアで最大51時間先までの時間雨量を3時間ごとに見ることができる。また、降水予測エリアは短時間予測が13段階、長時間予測は14段階に色分けされて表示され、クリックすれば今後の予測のほか、過去72時間の累積雨量も表示される。
 県は新気象予測システムの運用開始に伴い、25日に市町村の防災担当者を対象とした説明会を開いた。町内に椿山ダムがあり、先の台風18号ではダムより下流域(入野・若野地区まで)住民を対象に避難勧告を出した日高川町の防災担当職員は、「報道では51時間先までの予測が表示され、より早く避難勧告等を判断できるということに関心が向いているようだが、いくら早く避難勧告を出せたとしても、警報も出ていない段階から避難勧告を出しても住民は避難しないという現実がある。これからも、避難勧告や避難指示を出すタイミングはそれほど大きな違いはないと思う。それよりも、気象庁の情報だけでなく、よりきめ細かなエリア、時間の予測をいつでも、自分たちで見ることができるということの方が意義は大きい」と話している。