ハイキングや台風シーズンを前に、遭難者や孤立者の救助能力を高めようと御坊署は25日、県警航空隊とつり上げ救助訓練を行い、知識と技術を学んだ。
 緊急離発着場となっている由良町の海上自衛隊由良基地ヘリポートで実施。御坊署員は中州に取り残された人や山で遭難した人をつり上げて助けるための救助機材の取り扱いを実践。ヘリからの強い吹き下ろしの風を受けながら機材を装着させたり、実際につり上げられることで、機材の有効性を勉強した。初めての体験という地域課の柳本和紀巡査長(30)は「思った以上に安定していたので、もしものとき遭難者に安心してもらえるようにきょうの訓練を生かしたい」と話していた。
 これから台風シーズンになると浸水被害で孤立したり、紅葉時期には山に入って遭難してしまうケースが増えることが予想される。同署管内では昨年、日高川町で山に入った2人組が道に迷って救助される遭難も発生している。警備課の佐藤裕志課長は「由良基地との連携も深められてよかった。どんな場所でもスムーズに救助できるようこれからも訓練を重ねたい」と話していた。