中秋の名月翌日の20日、美浜町中央公民館でジャズギタリスト、Hiro Yamanakaこと山中弘行さん(56)のコンサートが開かれ、約60人のファンが「月」にちなんだ名曲の調べに酔いしれた。
 中央公民館は本年度、自主事業として7月の七夕、9月の中秋の名月、12月のクリスマスと3回のコンサートを企画。今回は「十六夜コンサート」と銘打って、地元吉原出身で横浜に拠点を置き、ジャズギタリストとして世界的に活躍している山中さんを迎えた。
 山中さんは客席と同じ目線で、トークを挟みながらライブハウス感覚で演奏。スタンダードジャズの『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』で始まり、本田美奈子やヘイリーのカバーで日本でもヒットした『アメイジング・グレイス』、ナット・キング・コールの『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』、映画『ティファニーで朝食を』の『ムーン・リヴァー』など、秋の月夜に合わせて厳選した5曲を披露し、最後は高校生まで生まれ育った和歌山、美浜町への想いを込めて、『ふるさと』を演奏した。
 御坊市から来た会社員の男性(42)は「どれも耳なじみのある名曲ばかりで、ボーカルのないギターだけの演奏もすごく新鮮でした。こんな一流のギタリストの演奏を生で、しかも無料で聴けて、とてもぜいたくな夜になりました」と喜んでいた。