南海トラフの巨大地震を想定した県と政府主催の広域医療連携訓練が31日、南紀白浜空港と県内13カ所の災害拠点病院などで行われた。重症患者の救命と被災地医療の負担軽減を目的に、県外の災害派遣医療チーム(DMAT)や自衛隊員らも含め約1000人が参加。国保日高総合病院には千葉県のDMATが入り、病院の医師や看護師と連携して負傷者の治療、他の病院への患者の搬送などをシミュレーションした。
 大規模災害発生時、被災地は多くの負傷者が発生し、医療施設は機器の故障や人員不足などから機能が低下することも予想され、自衛隊や海上保安庁、他府県の医療機関との連携が不可欠。被災地の拠点病院は災害による救急患者の受け入れだけでなく、入院患者の他病院への移送なども必要になり、今回はこれらの連携のあり方を確認、現場の動きを検証することを目的に行われた。
 広域医療搬送拠点となる南紀白浜空港にはSCU(臨時医療施設)が開設され、自衛隊の輸送機などで全国から17組のDMATが到着。紀中・紀南地方の8カ所の災害拠点病院、災害支援病院にヘリや救急車で派遣された。また、総合災害拠点病院の県立医科大と日赤和歌山医療センターなど紀北の5カ所の病院には、高速道路の紀ノ川SAを拠点として参集した関西や中国地方からの13組のDMATが派遣された。
 日高病院には白浜空港から千葉県のDMAT(医師と看護師、業務調整員の3人)が海上保安庁のヘリで野口のヘリポートに到着し、待機していた救急車で病院へ。病院は3階の講堂に災害対策本部を設置し、本部長の東克彦院長がDMATに病院の被災状況、救急外来患者と入院患者の状況、医師や看護師の数などを詳細に報告し、ただちに病院のDMATと医師、看護師、職員とともに患者の治療、治療の優先順位を決めるトリアージにとりかかり、入院患者の他の病院へのヘリ搬送調整などに本番さながらの緊張感で取り組んだ。